スピリチュアルブームを作ったこの人。江原啓之さん。
数年前ですが、彼にとても興味をもっていた時期があって、パルコ劇場のトークイベントに行った事があります。霊視によるカウンセリングを抽選で受けることが出来る用紙があって、開演前に回収ボックスに入れます。
読まれたらラッキーのような、でも、この劇場にいる人全員に悩みを知られてしまうのも辛いような…。良かったのか、残念だったのか私は当たらなかったのですが、私の隣の席の人があたってカウンセリングを受けていました。他にも数人受けていましたけれど、正直なところテレビで見ているような優しく打ち解けた雰囲気の人という印象とは少し違いました。「結構厳しいこと言うなぁ…」というのが正直な感想でした。もちろん、優しさだけが愛ではないのですが…。
最近はきつめのバッシングにあっているようですね。この手の世界に否定的な論者からはもちろん、前のコラムに書いた、スピリチュアルブックを掲載し、シルバーバーチの霊訓を元にスピリチュアルを研究している「心の道場」というサイトでも、「彼はペテン師」などと批判されています。
確かに、シルバーバーチの霊訓を読んでいると江原さんが言っていることは少し違うな…と思うことがあります。たとえば、動物の魂に輪廻はないとされているのですが、オーラの泉では動物にも輪廻があることを触れていることがありました。しかし、霊能を持っていない者には、確かめようのない事柄なので、それが本当なのかどうなのかは判断出来ないわけですが…。
霊訓と呼ばれるものは読めば読むほど、「素晴らしいな」と思うことと同じくらい、「これはなかなか難しいな…」と思うことが多いです。いわゆる、魂が肉体を持ったゆえの欲望との戦いです。単純なことだと、セックスは子作り以外にはするなとか、肉は食うなとか。聖職者の修行として一番最初に禁止されるものですよね。なので、これらは出来る人が多いとしても、
戸惑ったの事柄のひとつに、「人生で襲ってくるさまざまな苦労を、淡々と乗り越え天寿をまっとうしなさい。」というもので、「これはさすがに厳しいな」と。人生には、想像もしていなかった苦難が訪れるものです。それらを淡々と乗り越えられる人間なんているのだろうか…と。
すると、ある日テレビで美輪さんが、「はた迷惑なことを散々されても、笑って許せるのは神様。神様ならこの世に生まれてくる必要性がない。こういうことをされると腹が立つ、泣きたくなるということを経験するために生まれてきている。」と話していたことがありました。未熟な私は、他者との関係や人生の試練に苦悩することも、泣きたくなることも、怒りたくなることもあります。最初から高い領域を目指すのは難しいし、ハードルが高すぎても挫折してしまいます。
江原さんがよく言っている言葉は、「この世の体験で感じる、さまざまな喜怒哀楽があの世に持っていける唯一のもの。だから、さまざまな経験をしてあの世に持って行きなさい。」というもの。物質的なものへの固執に対する警鐘と同時に、普通の人でも実践できるよう、霊訓に比べてかなりハードルを下げたもののような気がしています。なので、彼をスピリチュアルのとっかかりやきっかけにする人が多いわけですね。
それから、彼がスピリチュアルを生業にしていることへの批判もありますが、後々「ホスピス」を運営したいと考えているという夢を語っています。
前述したイベントでも、大病を抱えたお母さんがカウンセリングを受けていました。小さな子供がいるのに、自分がまもなく死んでしまうかもしれない…という切実なものでした。江原さんは、
「この子は何もかも承知であなたの元に生まれてきたんだ。強い子なんだ。だから心配はいらない。」と励まし、「あなたもいつかあの世に行くときが来る。私もだ。そのときは、あの世で再開しましょう。この約束は絶対に忘れない。」という言葉をかけていました。江原さんがこのお母さんにどれだけの説得力をもって、安らぎを与えたのか計り知れないと思いました。
自分の死に直面した人たちに「死への恐怖」「残していくものへの不安」を癒せる能力と知識をお持ちになっている江原さんがホスピスを運営したいというのは、素晴らしいことだと思いました。現世でそれを実現するにはお金もかかるわけですし、江原さんもこの世を生きている一人の人間として、将来的な目標を達成するためにお金をためることが悪いことだとは言い切れないのではないかと思うのです。
最後に、フジテレビの深夜番組で美容院経営の方が望んでいないのに、勝手にカウンセリングされて傷つけられたとして、BPOに訴えられたという話があり、望まれていると聞いてカウンセリングしたとの江原さんの反論に、
「作家の麻生千晶氏が「超能力があるというのなら、『望まれていない』、『経営が悪化していない』ということがなぜ分からなかったのですかね」と疑問を呈している」ということがWikipediaにも掲載されています。
霊能者というと、一切の矛盾が許されない万能の人のように思われますが…江原さんも人間なんだなぁと思いました。ドジを踏んだり、人にだまされたりしたら、「ああ、普通に考えたら、絶対にこんなことにならなかったのに…なんでこんなことしちゃったんだろうなぁ…」と後悔することは、誰でも経験あると思います。当たり前だと思っていたことを油断して見落としたり、てんぱっていて気づけなかったり…。自分のことって、自分が一番分かってないときってあると思うんです。
江原さんを擁護したコラムになりましたが、彼が言っていることを全部鵜呑みにしているわけではありません。彼をあがめるだけの信者になってしまうのも、危険なような気がしています。一人の人間の意見として、いいこと言ってるなと思ったら受け入れるし、違うんじゃないかなと思えば、これは違う意見だな…と。
ただ、
彼がたくさんの人々の心を動かし、勇気付けているということは間違いないのではないかと思います。私もその一人です。そして、江原さん本人も言っていますが、彼も「一人の人間」だと思います。
江原さんの本の中でオススメなのが、江原さんの霊能者への原点が描かれている「人はなぜ生まれいかに生きるのか―新装版・自分のための「霊学」のすすめ」という本です。
興味がありましたらどうぞ。